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私たちの活動

帰還後の栄養サポートへ豆や魚など配布

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動するスリランカ東部のトリンコマレ県には、内戦の影響で避難していた約2600家族が故郷に戻ってきています。国連機関が主食の米などを配布していますが、それだけでは栄養が偏ってしまうため、PWJでは2010年1月から、スリランカの家庭料理に欠かせないスパイスや豆、干魚、魚の缶詰などの補助食糧の配布を行なっています。

食糧袋を手渡すPWJ齊藤

食糧袋を手渡すPWJ齊藤
(C)PWJ/Yukari NISHINO

事業の直接のきっかけは、帰還民に米などを配布している国連世界食糧計画(WFP)がNGOに対して、「補助食糧の配布事業をしてくれないか」と要請してきたことでした。PWJは以前、避難民キャンプ向けに食糧支援を実施していて、仕入れや輸送(ロジスティックス)の経験もあることから、要請に応じて1月から事業を開始しました。
2600家族に対して1月から3カ月間、月1回の配布を行ないます。現在は2月分の配布を県内各地で行なっています。配布数の多いところでは、約800家族が集まるので、その日はさながら小さなイベントのようです。
あらかじめ各種の食品を詰めた食糧袋は約8kgの重さがあり、小さな子どもや小柄な女性には少し重いのですが、これを順番に手渡していきます。中身は、スリランカの家庭料理に欠かせないチリパウダー、ココナッツミルクパウダー、ひよこ豆、日本のニボシによく似た干魚、唐辛子、魚の缶詰など13種の食品です。

配布している補助食糧の内容

配布している補助食糧の内容
(C)PWJ/Yukari NISHINO

事業を開始した当初は、スタッフ全員、毎日筋肉痛でした。というのも「少しでも多くの予算を食糧の購入代そのものに充てよう」と現地スタッフが言い出し、2600家族分の食糧袋への袋詰め作業を週末にスタッフが事務所に集まって行なったためです。その上、配布の日は朝から袋を大型トラックに積み込む作業もありました。
食糧配布が始まり、PWJスタッフの齊藤大作が一人ひとりに袋を手渡すと、受け取るおばあさんや、子ども連れのお母さんから笑顔がこぼれました。その表情に、こちらもうれしくなりました。いつの間にか、「クーポンをもらったら、こっちに並ぶんだよ!」と、会場の交通整理を始めてくれるおじさんもいて、各地で順調に配布が進んでいます。
ちなみに、私は配布作業をしながら、日本のお正月の福袋売り場を思い浮かべたのですが、帰還家族の皆さんは、急いで袋の中身を確かめて一喜一憂したりはせずに、袋をぎゅっと大事そうにかついで帰って行きました。帰還直後は仕事もなく、思うように食料を買うことができないため、育ち盛りの子どもを持ったお母さん方から感謝されています。

食糧を受け取って喜ぶ親子

食糧を受け取って喜ぶ親子
(C)PWJ/Yukari NISHINO

受け取った食糧を運ぶたくましい少年

受け取った食糧を運ぶたくましい少年
(C)PWJ/Yukari NISHINO

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