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私たちの活動

北部で実施している生計支援事業(1)

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、内戦後故郷に帰還した住民の支援を行っています。帰還した家族に「生計支援パッケージ」を配布して、生活を立て直し、現金収入を得て自立するのに役立ててもらうというものです。対象となる家族それぞれが、自分たちのニーズやスキルに合うパッケージが選べるようにサポートしています。
今回は、農業パッケージと養鶏パッケージを配布した家族のその後の様子を紹介します。

Case 1: 農業パッケージ
最初のケースは、ムラティブ県プドゥクリイルプ郡マンナカンダル村に帰還したセルバラーサさん(40代の男性)です。セルバラーサさんは、9人の家族を養うために畑作パッケージを選びました。配布したパッケージは、水ポンプと水まき用パイプ、カボチャの種子200g、落花生40㎏です。水ポンプとパイプは、近隣5軒で利用している共同井戸に繋いで、畑の水撒きができるようにしました。
6月には、約1000平方メートルの落花生畑をつくりました。約200kgの収穫を見込んでいます。彼は、この収穫から、家族での消費分25Kgと次の収穫期への種50Kgをとり、残りの125Kgを売って現金を得る計画です。さらに、所有している残りの土地を使ってカボチャの種子も植えたいと考えていますが、今は柵を作るワイヤーがないため、柵作りが完成してから種まきをする予定です。

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落花生の耕作を終えた所(Mannakandal村)
(C)PWJ

Case 2: 養鶏パッケージ
同じくムラティブ県プドゥクリイルプ郡マンナカンダル村に帰還したマーリニーさん(20代の女性)は、幼稚園に通う息子一人と夫の母の3人での暮らしを始めました。夫は元LTTEということで政府のキャンプに留置されており、彼女が一家の生計を立てていかなければなりません。そこで、彼女は養鶏パッケージ(鶏小屋の資材と生後30日の鶏40羽)を選びました。
5月21日、鶏40羽を受け取ったマーリニーさんは、獣医によるトレーニングの指導に従い、自ら2回の予防接種(水溶性の薬を水に溶かして与える作業)を行いました。40羽のうち3羽が犬の被害で死亡してしまいましたが、残りの37羽は、もう犬に襲われる心配がなくなるほど大きく成長しました。37羽のうちメスが30羽で、9月には卵を産みはじめる見込みです。この30羽から毎日20個ほどの卵の収穫が見込まれ、週140個ほどを1個15ルピーで売れば、1週間で2,100ルピーの収入になるといいます。得た現金は、日々の食糧費や子供の被服代、薬代などに使いたいと話してくれました。

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餌やりの様子
生後60日でここまで成長しました
(C)PWJ

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