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私たちの活動

北部で実施している生計支援事業(2)

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、内戦中に住むところを逃れた人々への再定住支援を行っています。故郷に帰還したり、別の場所に定住する人々に「生計支援パッケージ」を配布して、生活を立て直し、現金収入を得て自立するのに役立ててもらうというものです。対象となる家族それぞれの状況や職業、持っている技術によって、パッケージを選べるようにしています。
2回目は、洋裁・仕立屋パッケージとヤギパッケージを配布した家族のその後の様子を報告します。

Case 3: 洋裁・仕立屋パッケージ
ムラティブ県プドゥクリイルプ郡マンナカンダル村に帰還したアライ(60代の女性)さんは、紛争で夫を亡くし、息子は反政府側として内戦参加していたため政府のキャンプに留置されています。今はその息子のお嫁さんと幼稚園に通う孫の3人で生活をしています。アライさんが選んだのは、家庭内で仕事ができる洋裁パッケージでした。
アライさんは、仕立てに必要なミシンやはさみ、針、椅子、布などをセットにしたパッケージを受け取り、仕立屋を始めました。スリランカでは布を客が持参することが普通なため、作業賃をもらって収入としています。これまで女性の普段着として需要の高いワンピースやスカート、子供服などを仕立てました。「この 1ヶ月で約2300ルピーの売上があった。仕立て料は、ワンピース1着100ルピー、スカート1着75ルピーで、1週間に400ルピーほど稼ぐことができる。特にお祭り前は服を新調する人が多いため、注文が多くなるよ。」と嬉しそうに報告してくれました。

110927_01.jpg
ミシンを使うアライさん
(C)PWJ

Case 4: ヤギパッケージ
同じくムラティブ県プドゥクリイルプ郡マンナカンダル村に帰還したカビタさん(30代・女性)は、以前にヤギを飼っていた経験があることから、ヤギパッケージを選択しました。配布したパッケージは、ヤギ3頭(雄1頭、雌2頭)です。
カビタさんの夫は、農作業手伝いなどの日雇い作業で働き始めましたが、定収入にはなりません。そこで、経験のあったヤギの飼育で生計を立て直すことに決めました。スリランカのヤギは1年間に平均2匹を出産するため、2頭の雌ヤギから1年間で合計4頭出産することが期待できます。雄ヤギは、肉食用として、6000~8000ルピーの収入になります。カビタさんは、ヤギを少しづつ増やしていき3年後には雌ヤギを10頭まで増やすことを目標にしている、と話してくれました。

110927_02.jpg 110927_03.jpg左:提供した3頭のヤギ
右:ヤギに餌をあたえるカビタさん
(C)PWJ

配布したパッケージが、帰還民の現金収入につながり、生計を立て直すきっかけとなっていることは、プロジェクトを実施している私達の何よりの喜びでもあります。
*本事業は、ジャパン・プラットフォームからの資金や寄付金などにより実施しています。

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