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仮設トイレ建設チームが始動 避難民キャンプ設営などを想定

キルクークやモスルなどに対する米軍の空爆も続き、多数の国内避難民の発生が懸念されるなか、避難民キャンプなどで仮設トイレを建設するチームの第1陣が発足し、スレイマニア市内で24日、トレーニングを開始しました。ピースウィンズ ・ジャパンでは避難民の数や状況に応じて、建設チームを順次、編成する計画で、新しいチームのトレーニングは、この最初のチームが担当することになります。
ピースウィンズ が設置を想定している仮設トイレは、プライバシー重視、男女差および、身体障害者対応の3点が特徴。いずれも2基が隣り合う形式で、建設や修繕を容易にするため、木材とビニールシートを使います。
通常タイプは間口の幅が0.7メートル、高さは2メートル余りで、周囲をビニールシートで覆います。現地では、女性はトイレに入る姿を見られることも嫌がるため、女性用はトイレの外側をさらにビニールシートの”フェンス”で囲います。
身体障害者用は、車いすでも利用できるように間口を1.2メートルとし、鉄製のパイプに洋式便座を取り付けます。ピースウィンズ のエンジニアリング部門の担当者によると、現地では身体障害者用トイレの設置を想定している援助関係機関はほかになく、「視察に来た関係者の評価も高い。このトイレは、地域の援助活動の新しいスタンダードになる」と話しています。
建設を担当するのは、新たに雇用した水・衛生チーム(water/sanitary、通称WAT/SAN=ワトサン=チーム)。配管工1人、大工1人、アシスタント2人、運転手1人の構成で、チームごとに車で移動します。
24日は、ときおり上空から爆撃に向かう米軍機とみられる音が響くなか、チームのメンバーが資材を設計図通りの寸法に切り出し、一つひとつの手順を細かく検討・確認しながら、外枠を組み立てて設置しました。途中から雨がひどくなったため、続く作業は翌日に延期しました。
チームメンバーのアリさん(30歳、仮名)は「報酬がもらえるだけでなく、人々の役に立つこともでき、この仕事に大変満足しています」といい、アジズさん(48歳、仮名)は「無報酬でも作業に加わりたいくらい」といいます。土を掘る作業が大変だったとのことですが、「慣れてくれば問題はない」と口をそろえます。
 アジズさんは、バグダッドに親せきがいます。3カ月前に会って以来、連絡もなく、「もちろん心配が募っている」。それでも、「戦争で被害を受けたり、避難しなければならない人も出るだろうが、フセイン政権が終わればイラクはもっと安全な国になる」といいます。
ピースウィンズ の想定では、緊急の初期の段階では、10家族に対して男性用1ユニット(2基)、女性用1ユニット(2基)のトイレを設置します。身体障害者用トイレは、状況に応じて設置数を決めます。また、避難民の収入向上を図るため、避難民のなかから建設チームを雇用する可能性もあります。
【3月24日の現地】
[町]
スレイマニアでも、引き続き多くの商店が閉店中。市場ではかなりの店が再開し、人通りも増えているが、商品数には限りがある模様。従来、イラク中央政府側の地域から持ち込まれていた野菜などの入荷が止まり、イランなどから持ち込む際の運送費が急騰しているため、商品の価格はかなり上がっている。
商店主らによると、「みんな戦争を気にしてものを買わない」という。値段を聞いて買うのをやめる人もいる。
[避難民]
困難な状況が予想される避難民の動向を引き続き注視、情報収集に努める。

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