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私たちの活動

【ウクライナ危機】カメラマンが見たウクライナ避難民の「今」その3

ピースウィンズは、ウクライナの隣国モルドバにて、戦禍を逃れてきた避難民の方々への支援を行っています。
連日報道される情勢、何人が負傷、何人が死亡・・と目にすることも慣れてしまいますが、その数字の裏には私たちと変わらない、一人ひとりの人生があります。
今日も、ピースウィンズのカメラマン近藤史門より最前線のレポートをお届けします。

国境の避難民キャンプ地で耐え忍ぶ家族



ウクライナーモルドバ国境が位置するパランカ。
国境付近にはUNHCRはじめ、国連組織が指揮をとりつつ避難民を一時的に受け入れるテントが大量に立ち並んでいます。
避難民流入数も落ち着き、モルドバ国内の受け入れ態勢も整いつつある現在、このキャンプに身を寄せる人々はごく少数となっていますが、またいつ何時、大勢のウクライナ人が押し寄せるかわからない不透明な戦況ゆえ、今もキャンプは最悪に備える形でそこに存在しています。



しかし、この避難所を警備する人曰く、開戦初期に逃れてきて今もここで暮らし続ける家族が1家族だけいるのだそう。残念ながら取材することはできませんでしたが、最低限のインフラと食料が置かれたこの一時避難キャンプで暮らす家族の思いは計り知れません。

偶然にも写真を撮らせていただいたテントに掛けられていた洗濯物の色はウクライナ国旗の色である黄色と青。
祖国に思いを馳せ、少しでも故郷に近いこのパランカで、あるいは今も前線で厳しい戦いを強いられている人々を思いながら、終戦まで耐え忍ぶご家族のことを思うと、胸の張り裂ける想いがしました。



ウクライナにいるパパと私の家を描いたの。

現在ピースウィンズが支援を続けるシネマ避難所には、25人以上の子どもたちが生活をしています。
子どもたちは新しい環境にも柔軟に対応し、避難所でも新しくできた友達と楽しく生活を過ごしているようにも見えますが、その心の中を大人が慮ることは難しいものです。



避難所ではピースウィンズに限らず、地元NGOやUNICEFなどの団体も子どもの支援にも入っています。定期的に子どものためのアクティビティを展開するConcordia Moldovaの職員に話を聞いてみると「子どもは私たちが思っている以上に今の状況を理解しています。しかしそこからくる感情や不安を表現したり、相談したり、アウトプットする方法を大人ほど持ち合わせていません。特に10代の若者に顕著で、彼らは子どもと大人の狭間で苦しんでいるようです」と話してくれました。



ピースウィンズがシネマ避難所で子どもたちにお絵かきセットを配ると、やはりウクライナの絵を描く子どもたちが圧倒的に多いです。避難所で暮らす女の子、マイカちゃんに何を描いたか聞いてみると「ウクライナにいるお父さんと飼っているわんちゃん、それからこれが私のお家」とのこと。
おばあちゃんと絵を眺めながら最後にポツリと「スクチャイ(Скучаю)」とつぶやいた彼女。聞けばそれは「恋しい/寂しい」という意味の単語でした。



ピースウィンズ・ジャパンは、今後もウクライナの人々、そして彼らを支え続けるモルドバの人々に寄り添う支援を届けてまいります。引き続き皆様からのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

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