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NGOによる外務省への要請文:国際会議における「即時停戦」への働きかけ、メッセージの発信を

 
11月6日、パレスチナ支援を行い、また現地の情勢を注視している日本の市民団体が、ピースウィンズを含む6団体合同で要請文を発出し、外務省に提出しました。
 
平和国家をうたい、またイスラエルおよびパレスチナ双方の友好国、かつG7議長国および安全保障理事会の非常任理事国として「即時停戦」の実現を担える立場である日本国の外務大臣に対し、以下を要請します。
 
 

日本のNGOによる要請文

 
上川 陽子 外務大臣
 
10月11日に「日本のNGOによる外務省への要請文:イスラエル・パレスチナにおける武力行為の即時停止への働きかけを求めます」を提出してから3週間以上が過ぎましたが、ガザ側からのロケット弾の発射とイスラエル側からの激しいミサイルや砲撃による攻撃は今なお続いています。加えてイスラエルは陸海空と3方向からガザ地区内への侵入を進め、ガザへの無差別攻撃を行っています。その結果、4,008名の子どもを含む9,770名のガザ市民の尊い命が失われました。また、ハマスに捕らえられたとされる30名の子どもを含む242名の人質も未だに解放されていません(数字はいずれも、11月5日現在OCHA発表による)。
 
さらに、イスラエル側はハマスを壊滅させるという名目のもと、病院、多くの避難者がいる学校、難民キャンプへの空爆を実施、国外へ避難する人が集まるラファ検問所付近や、負傷者が移送される救急車にまでも攻撃を行っています。人々をガザ北部から南部へ強制的に移動させるだけでなく、避難途中の人々すらも攻撃の対象になっています。命綱ともいえる通信手段の断絶、生命維持に必要な病院設備や水タンクの動力源である燃料の搬入さえも拒否しており、これらはすべて自衛権の範疇を超えた「国際人道法違反」にあたります。
 
一方この間、10月21日以降、わずかながらラファ検問所から医療物資や水・食料などのガザ地区内への搬入が断続的に行われ、11月1日にはガザ内の外国籍保有者や重症を負ったパレスチナ人の一部がエジプト側へ搬送されたことは、各国の外交交渉の成果としてあげられます。しかしながら、運び込まれた支援物資は220万のガザ市民が1日を生き延びるにも及ばない量であり、最も必要とされている燃料が含まれていないことは、生きながらえた命を守ることさえ困難な状態にしています。病院やクリニックの5割近くが、燃料不足あるいは爆撃の被害により機能していません。
 
このような状況を受け、パレスチナで活動し現地の情勢を注視する私たち日本のNGOは双方の犠牲者を心から悼み、負傷者の一日でも早い回復と、人質の解放を望んでいます。そして同時に、多くの市民を無差別に攻撃する暴力行為を、国際人道法違反として強く非難し、双方の武力行為の即時停止を強く求めます。一人でも多くの命を救うため、そして必要な緊急支援を一秒でも早く開始するために「即時停戦」が必要不可欠です。
 
これらの状況を踏まえ、「平和国家」として、またイスラエルおよびパレスチナ双方の友好国であり、G7議長国および安全保障理事会の非常任理事国として「即時停戦」の実現を担える立場である日本国外務大臣に対し、以下を要請します。
 
1)関係者およびG7外相会合などにおける「即時停戦」への働きかけ、メッセージの発信
 
11月7・8日に日本で開催されるG7外相会合や9日にフランスで開催される「ガザをめぐる国際人道会議」などの機会をはじめ、あらゆる外交的手段を用いて、当事国、国連安全保障理事会、中東カルテット(国連、米国、ロシア、EU)、或いはアラブ諸国が歩調を合わせて調停に乗り出すよう働きかけるなど、一刻も早い停戦に向けた日本政府としての最大限の外交努力を求めます。その際、下記の点にも言及されることを望みます。
 
①紛争当事者への国際人道法遵守の要求、特に民間人・民間施設への攻撃、病院・医療従事者・難民キャンプへの攻撃を即時停止すること
 
②人質の早期解放の要求
 
2)人道物資のアクセスの緊急確保、および人道支援の拡大に向けた人道支援回廊の設置と安全性の確保
 
ガザの人々の命にとって必要な水、電気、その他生存に必要な物資はほとんど底をついているとされ、人道支援物資の無制限でのアクセスを確保することが緊急に求められています。UNRWAをはじめとする国際機関および日本のNGOは、10月7日以前からガザ地区を含むパレスチナでの支援活動を行っています。ガザ地区においては、これまで日本国が長年に渡り支援してきた成果が破壊的な損失を受けています。そのため、現状の物資搬入に加え、ガザ地区への早急な救援物資の搬入や人道支援関係者の安全な入域、ガザ地区内での支援活動を実現、あるいは既に実施されている支援を拡大するための「人道支援回廊」の設置が望まれます。
 
 また、支援対象地域のひとつであるヨルダン川西岸地区では以前に増して、ユダヤ入植者によるパレスチナ人への攻撃や誘拐などが頻発しており、検問所や地区内の道路もたびたび閉鎖されています。その結果、通常の支援活動も影響を受け、一部の事業地に支援が届けられない状況が発生しています。
 
 パレスチナ全域での迅速かつ確実な人道支援の実施が可能になるよう、即時停戦とともに人道支援回廊の設置を含む支援活動および支援従事者の安全性確保に対して、関係各所への働きかけを要請します。
 
 
私たちは日本政府に対し、双方の政府や関係各所に今すぐ暴力の連鎖を停止するよう具体的な働きかけを行うこと、そして現地で人道支援を行うNGOや国際機関が危機的状況にある現地の人々に対して速やかに緊急支援などを開始できるような後押しを行うことを、再度強く求めます。
 
(PDF版はこちら
 
2023年 11 月 6 日
特定非営利活動法人国境なき子どもたち
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
特定非営利活動法人パルシック
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
(五十音順)
 
 
賛同団体・賛同人につきましては、随時追加されております。特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)のサイトをご覧ください。
 

この要請文に関する連絡先

特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン
海外事業部 パレスチナ事業担当 山元・山本 宛
Email: pr@peace-winds.org

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