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私たちの活動

野菜づくり 組合員を超えて地域住民へ

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)がエルメラ県レテフォホ郡で行っているコーヒー生産者支援事業では、2003年からコーヒー以外の農業技術の普及にも取り組んでいます。5年目の今年は、PWJスタッフの指導のもと、コーヒー生産者組合の18のサブグループすべてが野菜栽培を始めました。また、昨年の生産者グループの成功を知った近くの住民の依頼で、担当スタッフがボランティアで指導するようにもなり、野菜づくりは組合員の枠を超えて広がり始めています。

野菜づくりに励む生産者グループのメンバー

野菜づくりに励む生産者グループのメンバー
(C)PWJ/Hibiko SHIBATA

この地域では、土地はあっても農業をしない人が多くいます。コーヒーによる限られた現金収入で日々の野菜を買わなければならず、お金がなければ栄養も偏りがちになります。聞き取り調査から、彼らが農業をしない主な理由は、農法を知らないことと、種を買うお金がないためであることがわかりました。そこで、自給用の野菜を生産し、さらにそれを販売して副収入を得られるよう、PWJが栽培技術を指導し、種の提供などもすることにしました。もちろん環境に配慮し、化学肥料や農薬を使わないやり方です。
初期には日本から営農指導員の古賀田都子さんを迎え、「モデル農場」をつくりました。さまざまな種類の野菜の試験栽培をしながらPWJの現地スタッフが栽培技術を教わり、これまで廃棄していたコーヒーの果肉や殻、家畜の糞を利用して有機肥料をつくることも教わりました。また、試験栽培を通して、マメ科の野菜が土壌の改良にもつながり栽培に適していることが分かりました。

畑の水やりは欠かせない順調に育った野菜

写真左:畑の水やりは欠かせない
写真右:順調に育った野菜
(C)PWJ/Hibiko SHIBATA

たくさんの組合員が参加するようになった今は、東ティモール人の農業普及員が毎日各グループの畑を回り、畑の管理方法を細かく指導しています。手入れの行き届いた農地では、青々と育った野菜に囲まれて朝夕の作業に励む組合員の姿があちこちで見られます。草むしりや害虫の駆除などは地道な作業で、決して楽ではありません。しかし、鼻をたらした小さな子どもたちも、見よう見まねで楽しみながら大人たちを手伝います。視察に出向くと、みな満面の笑みで「野菜が一杯できているんだよ、ほら、見て!」と自慢の畑を見せたがり、引っ張りだこになってしまいます。
先日、担当のスタッフと雑談していて、彼が友人に頼まれ、仕事帰りや休日を使ってボランティアで地域の人に栽培技術を教えていることを知りました。組合員だけでなく地域全体に野菜づくりが広まるのは、何よりうれしいことです。今年はコーヒーが裏作のため、この野菜栽培からの収入が大きな役割を果たすことを期待しています。

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