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【ケニア】難民キャンプでの生活 ―「日常」が終わることを願って―

ケニア北西部、南スーダンとの国境沿いに位置するカクマ難民キャンプ。ここでは15を超える国々から集まった185,000人以上の難民が生活をしています。その内の約半数、93,000人は南スーダンから辿り着いた人々です。彼らは普段どんな生活をしているのか、尋ねてみました。

カクマ
みんなで水運びのお手伝いをする子供たち

Aさん(30代・男性)
「キャンプ内の一区画のリーダーとして、難民と国連・NGOの橋渡し役をしていることが多いかな。様々な団体が支援をしてくれるけど、その時に難民側の希望・意見をまとめて支援団体と打合せをすることもあるし、団体がキャンプ内で活動しやすいように色々と手配をすることもあるね。他の日はソーラーパネルを使った携帯電話の充電ビジネスをしているよ。キャンプ内の家(シェルター)には電気が通ってないから、需要はあるね」
Nさん(40代・女性)
「今日は国連機関の食糧配給日だから受け取りに行ってきたところ。月に一度、小麦粉、トウモロコシ、豆、油などが配給されるのよ。この時に石鹸ももらえるし、別の日には調理用の薪が支給されるの。ただ、2年前までは月2回の食糧配給だったのが1回に減ってしまって、全然足りていないのよ。これから給水所に水汲みに行くわ。午前中の4時間程度しか水が出ないから混むのよね。あとは家の近くで野菜を育てているわ」
カクマカクマ
         写真左:食糧は麻袋で配給される、同右:配給物資を使っての調理風景
Kさん(20代・男性)
「毎日学校に通って英語を勉強しているよ。お金を稼ぐためにキャンプ内の警備員もしている。日曜日の午前中は教会に行って、午後はサッカー。キャンプ内でもサッカーは大人気で、そこかしこにボールや、布を丸めて作ったボールもどきを蹴っている子どもがいるよ。キャンプ内にはヨーロッパのサッカー中継を見ることができるお店もあるから嬉しいね」
Sさん(30代・女性)
「母親が始めた店を継いだの。ちょっとした食料品や調味料、プラスチックの食器などを売っているわ。キャンプ内には服屋、床屋、肉屋、靴の修理屋、食堂などがあって、たくさん商売がされているのよ。他にもマットレスや化粧品、最新の携帯電話を売っているところもあるわ。カクマのタウン(キャンプ外にある中心地)を見たことがあるけど、キャンプ内の方が品揃えが豊富ね」
カクマカクマ
    写真左:家庭菜園でほうれん草を収穫する女性、同右:自作のすごろくで遊ぶ子供たち
キャンプ内の様子を思い描いていただけたでしょうか。カクマ難民キャンプは1992年に開設され、今年で25年目になります。キャンプでの生活しか知らない人、人生の大半をキャンプで過ごしている人も多く、ここでの生活が日常となっている方がたくさんいます。しかし、難民キャンプでの暮らしは本来、「非日常」であるはず。難民キャンプで生活を営むという「日常」が一刻も早く終わりを告げ、南スーダンに帰って本来の「日常」を取り戻せる日が来ることを強く願うばかりです。
南スーダンに戻る際には期待と共に不安もあることでしょう。でも、戻った先でもカクマで時間を共にしたピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動していたら、少しは安心してもらえるかもしれません。PWJの存在がそんな一助となれるよう、今後も避難先のケニアと帰還先となる南スーダンの両国で支援を継続していきます。

カクマ
家に案内してくれる難民キャンプの子どもと筆者

報告:富樫良輔 (カクマキャンプ駐在員)
※この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成や、皆さまのご寄付で実施しています。

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