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【ウクライナ】狙われた小児病院に支援を─現地スタッフが語る爆撃の瞬間


(インタビュー動画本編はこちらから)

 

2022年2月に始まった、ロシア軍のウクライナ侵攻。
2年が過ぎて、国際社会の関心が薄れかけた7月8日、キーウ市内の小児病院が爆撃を受け、2人が死亡、10人が負傷しました。
この日はキーウだけでなく東部ドニプロペトロウシク州、ドネツク州など各地への激しい攻撃があり、当局によれば、あわせて33人が亡くなったとされています。

現場はピースウィンズのオフィスからわずか4kmの距離。
爆撃の瞬間の様子を、ピースウィンズウクライナ事業担当の東に聞きました。

ミサイルに襲われたオフマディト小児病院

攻撃があったのは現地の午前。通勤ラッシュも終わって、人びとが仕事をはじめたころ、アプリで警報が鳴りました。
いつもはしばらくすると解除される警報に、ウクライナの人びとはある意味慣れています。しかし、この日はもう一度警報が鳴って「直ちに避難してください」というアナウンスが流れました。その矢先に、大きな爆撃音が鳴り響いたと言います。

東とピースウィンズのスタッフは、提携団体とミーティングを行い、互いに状況を確認してから、支援を開始するために動き始めました。
スタッフが到着した現場は、非常に混乱していました。入口には警察が立っており、規制線も張られていて、大勢のボランティアが押しかけており、ニーズの調査をしようにも近づくことが難しかったと言います。

まず必要なのは衛生用品

攻撃から3日目の10日。ようやく安全が確認され現場に入ることができ、病院の医師に話を聞いたり、具体的なニーズや状況を聞くことができました。
現場では病院の関係者が瓦礫の撤去を行っていました。医療機器の多くが被害を受けていて、どの機器がどれだけ被害を受けているか、何がいくつ必要なのかということを、病院内で確認しているところでした。
病院はほとんど機能しておらず、入院していた患者は市内の6つの病院に転院していました。そのうちのひとつの病院を、東とスタッフは訪問しました。
そこには10人の小児がんを患う子どもたちが搬送されていました。医師にどんな支援が必要か話を聞くと、まず「衛生用品」が上がったといいます。ピースウィンズでは、これまでの多くの緊急支援の経験で、衛生用品のニーズが高いであろうことはわかっていました。早急にウェットティッシュや子ども用の防水シーツを手配して、病院へ運び込みました。

小児病院だからこそ気をつけなければいけない支援

子どもたちが入院する病院では、衛生用品以外に粉ミルクのニーズがありました。しかし「市販のものは、放射線治療を受ける子どもが摂取できない成分が入っている」と医師からの指摘がありました。病気を患う子どもたちが口にするものは、ただ買って渡せばいいというものではありません。安全に摂取できるよう具体的なリストをいただいて手配して搬入しました。

 

「忘れてほしくない」…薄れていく国際社会の関心

侵攻開始から2年。多くの方々に支えられ活動をしてきましたが、日本を含めた国際社会の関心は薄れつつある、と私たちは感じています。
それはウクライナの人びとも同じで、「忘れてほしくない」という言葉を支援の現場でよく耳にします。私たちが日本から支援に来たことを伝えると「そんな遠い国の人たちが支援してくれる、心を寄せてくれている」ということに、感謝を伝えていただくこともあります。
今回のミサイル攻撃は日本のメディアにも取り上げられましたが、時間が経てばまた関心は薄れていってしまうかもしれません。「忘れてほしくない」と訴えるウクライナの人びとに対してひとりひとりの関心と支援が続くことで、ウクライナの人びとの不安な心も支えることができます。
ぜひ日本の皆さんにも、あらためて日常を奪われたウクライナの人びとに関心を持っていただければと思います。

 

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